◆大丈夫って言ってあげたい
4月に幼稚園の門を初めてくぐったお友だちも進級のお友だちも今ではすっかり園生活に馴染んできました。けれども最初は今までと違う環境に戸惑いがあったでしょう。そんな子どもたちにとって頼りになる存在が、担任とお部屋の先生です。朝の支度がわからなくて困り顔の子どもに「できないって言っていいよ」、苦手な野菜を前に涙を浮かべている子どもに「残していいよ」と優しく助けてくれるのです。困ったとき、悲しいときにこの人に助けてもらえるという信頼から、幼稚園が安心の場となり園生活を支えていきます。
●
クラスのお友だちの存在も幼稚園での楽しみのひとつです。最初の頃は距離がありますが、少しずつ、またはなにかのきっかけで打ち解け合い、いつしか一緒にいると楽しいし、いつも一緒に遊びたいと思える存在になってきたのです。
さて、ここからが社会性の学びの始まりです。いつも一緒にいると、自分の楽しい気持ちと相手の楽しい気持ちが違ってしまうときも出てきます。自分中心に楽しむだけでは、ふと気づくと相手が泣いていたり、怒っていたりすることがあります。幼い子どもたちは、まだ、相手にも気持ちがあって「これをしたい」「これは嫌だ」と、思っていることに気づかずトラブルになっています。ですから園では、双方の気持ちを語らせ、お互いの気持ちのずれを修正する介入をします。
ご家庭でも、泣いた方にはもちろん泣かせた方にも気持ちがありますので、ぜひ気持ちを語らせてあげてください。その上で、相手の気持ちを教えてあげて、「あなたは楽しくても、お友だちは嫌だったんだって」とそっと教えてあげてください。まだまだ出来なくっても大丈夫だよ、と寄り添う気持ちで。
●
この1学期、子どもたちは様々な体験を通して新たに出来るようになったことも増えました。生活面では自分で着替え、支度をし、自分のものを管理するなど。健康管理では、園庭では帽子をかぶり、汗をかいたら水分補給のためお部屋で休憩。活動面ではお誕生会に参加し、お友だちをお祝いしてあげるなど。それらを行うには知識や理解を重視する能力(認知的な能力)よりも、協力や気持ちを我慢するなどの非認知的な能力が必要です。
教えてくれる人との信頼関係が生まれ、その人の真似っこをしたいと思うところから生まれる力、大好きな人から「格好いいね」とほめられるのが嬉しくて、チャレンジしてみようと思える力です。中でも大切なのは自尊感情を育んであげることです。ほめるべき時にほめ、失敗してもその子自身が否定されないようにしてあげてください。失敗して傷ついているのはその子自身ですから、まだまだ出来なくても大丈夫だよ、と寄り添う気持ちで。
●
4月から子ども子育て新制度が施行され、子どもたちに関わる制度が充実する中、聖鳩幼稚園でも夏休み中も預かり保育を行っています。また10月以降には、現在通園している園児の弟妹と、ぴよぴよフレンズさん対象の預かり保育を始める予定です。
子育て環境がさらに整うよう、当園でもできることから実施する方向です。
夏休みは子どもたちもぐんぐん成長し、楽しいことが一杯ですね。安心、安全にお過ごしください。
(MIHATO KINDERGARTENニュースレター42号より)
|